副業を始めると、確定申告が必要になります。しかし、多くの人にとって確定申告は難しく、複雑です。この記事では、副業の確定申告のやり方について詳しく解説します。記事を読めば、確定申告の基礎知識から具体的な手順、注意点までを理解できます。
副業の確定申告では、必要書類を準備し、正確に申告書を作成することが重要です。e-Taxを利用すれば、自宅で簡単に確定申告ができます。
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副業の確定申告のやり方に関する基礎知識

副業の確定申告のやり方について以下のポイントを解説します。
- 副業で確定申告が必要なケース
- 副業の確定申告に必要な準備
- 副業の確定申告スケジュール
正しい知識を身に付け、副業の確定申告をスムーズに行いましょう。
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副業で確定申告が必要なケース
以下の条件に当てはまる場合に確定申告が必要です。
- 副業収入が20万円を超える
- 副業の種類が事業所得や不動産所得である
- 給与所得や退職所得以外の所得がある
- 医療費控除や住宅ローン控除がある
- 株式売却益がある
- 副業の赤字繰越がある
適切に確定申告を行えば、正確な税金の納付や各種控除を適用できます。
副業の確定申告に必要な準備

副業の確定申告に必要な準備は、以下のとおりです。
- 収入と経費の記録
- 確定申告書類
- マイナンバーカード
- 本人確認書類
- 給与所得の源泉徴収票
- 各種控除証明書
- 銀行口座情報
収入と経費の記録は特に重要です。副業の収入や経費を日頃からしっかりと記録しましょう。確定申告書類や各種控除証明書などの書類は、申告前にもれなく用意します。書類が不足していると、申告作業が中断する原因です。マイナンバーカードや本人確認書類も、忘れずに準備してください。
銀行口座情報も、還付金を受け取るために必要です。書類や情報を事前に整理しておくと、確定申告の作業がスムーズに進みます。
副業の確定申告スケジュール
副業の確定申告は、1年を通して計画的に進めることが大切です。1月1日〜12月31日までの期間は、副業収入の記録と経費の整理を行いましょう。日々の収支をしっかりと記録すれば、後の作業がスムーズになります。1月上旬になったら、確定申告に必要な書類の収集を始めてください。
給与明細や領収書など、重要な書類を整理しておくと安心です。2月上旬からは、実際に確定申告書の作成に取りかかります。早めに始めれば、余裕を持って作業を進められます。2月16日〜3月15日までが確定申告期間です。期間中に確定申告書を提出する必要があるため、計画的に進めましょう。
3月15日が確定申告書の提出期限です。必ず提出を済ませてください。5月末頃に納税通知書を受け取り、6月〜翌年5月にかけて住民税を納付します。4回に分けての納付が可能です。収入が一定額を超えると、予定納税を行う必要があります。スケジュールを把握し、計画的に確定申告の準備を進めましょう。
副業の確定申告のやり方

副業の確定申告のやり方について、以下のポイントを解説します。
- 確定申告書の種類と選び方
- 確定申告書の作成方法
- 青色申告と白色申告の違い
税務上の問題を避け、合法的に収入を管理するためによく確認しましょう。
確定申告書の種類と選び方
確定申告書の種類と選び方は、所得の種類や金額によって異なります。確定申告書の種類は、A様式とB様式、青色申告、白色申告の4種類です。A様式は給与所得や雑所得がある場合に使用し、B様式は事業所得や不動産所得がある場合に必要です。青色申告は事業所得や不動産所得が65万円を超える場合に選択しましょう。
白色申告は65万円以下の場合に利用します。適切な確定申告書を選ぶには、所得の種類と金額、主たる所得を考慮してください。初めて確定申告をする場合は、A様式が一般的です。複雑な所得状況がある場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。e-Taxを利用すれば、オンラインで確定申告が可能です。
確定申告書の作成方法

確定申告書は、正確な情報の記入が欠かせません。所得金額や所得控除を計算し、収支内訳書を作成します。確定申告書AまたはBを選択し、各欄に必要事項を記入してください。収入金額や必要経費、所得金額を正確に記入する必要があります。
所得控除の項目も漏れなく記入し、税額控除がある場合は適用漏れがないように注意してください。申告情報をもとに、納付税額または還付税額を計算します。確定申告書の作成が終わったら、源泉徴収票や領収書などの添付書類を準備しましょう。最後に確定申告書に署名・押印し、控えを作成して保管してください。
手順を丁寧に行えば、正確な確定申告書を作成できます。不安があれば、税理士や税務署に相談しましょう。
青色申告と白色申告の違い
青色申告と白色申告の違いは、帳簿の記帳方法と税制上の優遇措置にあります。青色申告は、複式簿記での記帳による詳細な経理処理が必要です。白色申告は簡易な方法で記帳できるため、青色申告よりも手間がかかりません。特別控除額は青色申告が65万円、白色申告が10万円です。
損失の繰越控除は青色申告では可能ですが、白色申告ではできません。減価償却費の計上については、青色申告はより柔軟に選択できます。青色申告には事前の承認申請や専用口座の開設、帳簿保存期間などの条件があり、白色申告よりも提出書類が多くなります。
副業の確定申告の簡単なやり方

副業の確定申告を簡単に行うための方法は、以下のとおりです。
- 確定申告ソフトを使う
- スマホアプリで確定申告する
- 銀行口座やクレジットカードを自動連携する
確定申告を効率的に進めるため、自分に合った方法を選びましょう。
確定申告ソフトを使う
確定申告ソフトを使うと、副業の確定申告を簡単に行えます。複雑な計算や確定申告書の作成を効率的に進められるため、時間と労力の節約が可能です。確定申告ソフトには、無料と有料のものがあります。無料ソフトは基本的な機能を備えており、初めて確定申告をする方や比較的単純な申告をする方におすすめです。
有料ソフトはより高度な機能を持ち、複雑な申告にも対応できます。確定申告ソフトを選ぶ際は、使いやすさや機能の充実度、サポート体制、価格を総合的に考慮しましょう。確定申告ソフトを使う際は、インストールと初期設定を行い、収入や経費の情報を入力します。
多くのソフトには自動計算機能があり、税額が自動的に計算されるため、便利です。確定申告書の作成が完了したら、エラーチェック機能を使って内容を確認してください。問題がなければ、確定申告書を出力するか、e-Tax連携機能を使って電子申告をしてください。データの保存と管理も重要です。
複数年度のデータを管理できるソフトを選ぶと、過去の申告内容を参照したり、次年度の申告に活用したりできます。
スマホアプリで確定申告する

スマホアプリは、簡単に確定申告ができる方法です。国税庁が提供する「確定申告書等作成コーナー」アプリを利用しましょう。アプリの使い方は、以下のとおりです。
- アプリをインストール
- マイナンバーカードでログイン
- 画面の指示に従って必要事項を入力
- 収入や経費の情報を入力
- 控除項目を選択して金額を入力
- 確定申告書のプレビューを確認
- e-Taxで電子申告を実行
マイナンバーカードではなく、ID・パスワードでも認証ができます。e-Taxを利用しない場合は、確定申告書をプリントアウトし、郵送または持参してください。写真やPDF添付機能で領収書等の提出ができる点や、前年の申告データを引き継げる点が特徴です。
プッシュ通知で、申告期限をリマインドしてくれる機能もあります。セキュリティ対策もあるため、安心して利用できます。スマホアプリを使えば、場所も時間も選ばずに確定申告が可能です。
銀行口座やクレジットカードを自動連携する
銀行口座やクレジットカードを自動連携すると、確定申告の作業が簡単になります。手作業での入力が減り、正確な収支管理が実現できます。具体的なメリットは以下のとおりです。
- 取引データの自動取り込み
- 経費や収入の自動分類
- リアルタイムでの収支把握
自動連携を活用すると、複数の口座やカードの情報を一元管理し、効率的に確定申告の準備ができます。セキュリティ面が心配な方は、定期的にデータを確認し、必要に応じて修正しましょう。領収書のデジタル化と自動仕訳機能を使えば、さらに作業を効率化できます。
副業の確定申告書の提出方法

副業の確定申告書を提出する方法は以下の3種類です。
- e-Taxで電子申告をする
- 税務署へ郵送する
- 税務署に直接持ち込む
自分に合った方法を選び、提出してください。
e-Taxで電子申告をする
e-Taxで電子申告をすると、確定申告の手続きを簡単に行えます。自宅やオフィスからインターネットを通じて申告できるため、便利です。e-Taxを利用するには、利用者識別番号とパスワードの取得が必要です。マイナンバーカードまたはICカードリーダーも用意しましょう。
e-Taxウェブサイトへのアクセスとログインをして先に進んでください。準備ができたら、e-Tax上の確定申告書等作成コーナーで必要な情報を入力します。入力が終わったら、内容を確認し電子署名を付けてください。最後に申告データを送信して完了です。送信後は受付結果を確認し、申告内容の控えを保存します。
必要に応じて、添付書類を別途郵送してください。e-Taxを使えば、税務署に行く手間が省けるだけでなく、24時間いつでも申告が可能です。確定申告書の記入ミスも減らせるため、初めての方にもおすすめの方法です。
税務署へ郵送する

税務署へ郵送で確定申告書を提出する方法もあります。自宅から手続きができるため、時間と手間を節約できます。郵送での提出の手順は、以下のとおりです。
- 必要書類(確定申告書、収支内訳書、源泉徴収票)をそろえる
- 必要書類に記入する
- 書類の記入漏れや押印忘れを確認する
- 返信用封筒を用意する
- 切手を貼る
- 税務署の所在地を確認する
簡易書留や特定記録郵便を利用すると紛失を防げます。郵送の際は、控えの保管や郵送期限に余裕を持っての投函、追跡番号を控える工夫が重要です。税務署に直接行く必要がないため、忙しい人にとって便利な方法です。
税務署に直接持ち込む
税務署に直接持ち込んで確定申告書を提出する方法は、確実で安心感があります。税務署の窓口で直接提出できるため、不安な点を相談できます。本人確認書類(運転免許証など)を準備し、確定申告書と添付書類を整理して持参してください。平日の8:30〜17:00に税務署へ行く必要があります。
窓口で書類を提出し、受付印が押されたら控えを受け取りましょう。不備があれば、指摘を受けて修正が可能です。2月16日〜3月15日は混雑するため、注意してください。待ち時間が長くなる可能性もあるため、時間に余裕を持って行きましょう。
副業の確定申告のやり方に関する注意点

副業の確定申告には、以下の注意点があります。
- 住民税の申告と確定申告の違い
- 副業が赤字の場合のやり方
- 申告期限を過ぎた場合の対処法
適切な確定申告が大切です。不安がある場合は、専門家に相談しましょう。
住民税の申告と確定申告の違い
住民税の申告と確定申告には、以下の違いがあります。
住民税の申告 | 確定申告 |
市区町村に対して実施 | 国税庁に対して実施 |
前年の所得にもとづいて翌年度の住民税を計算 | 前年の所得にもとづいて所得税を精算 |
主に給与所得者が対象 | 確定申告は事業所得者や複数の収入源がある人が対象 |
申告期限は3月15日まで | 申告期限は2月16日〜3月15日まで |
申告は簡易な様式で行える場合が多い | 詳細な収支の報告が必要 |
申告結果は翌年度の住民税額に反映 | 確定申告の結果は即時に所得税の精算に反映 |
自分の状況に応じて適切な申告を行うことが大切です。
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副業が赤字の場合のやり方

副業が赤字の場合でも、確定申告は必要です。赤字分を他の所得から控除できるため、申告するメリットがあります。確定申告書Bと青色申告決算書または収支内訳書を提出してください。赤字金額を正確に計算し、確定申告書に記入しましょう。損失の繰越控除制度を活用できます。
3年間赤字を繰り越して控除でき、将来の黒字化に備えられます。複数の副業がある場合は、合算してください。適切に対応すれば、副業が赤字でも確定申告できます。赤字申告は将来の節税にもつながるため、おすすめです。
申告期限を過ぎた場合の対処法
申告期限を過ぎてしまった場合は、できるだけ早い対応が重要です。速やかに確定申告書を提出してください。期限後申告書の作成が求められます。期限を過ぎると、延滞税や無申告加算税が発生する可能性があるため、注意しましょう。理由によっては加算税が減免される場合もあるため、税務署で事情を説明してください。
e-Taxを利用すれば、24時間申告が可能です。納付期限の延長申請もできます。過去の申告漏れがある場合は、合わせて修正申告をしてください。
専門的な知識が必要な場合は、税理士などの専門家に相談するのも有効な方法です。申告期限を過ぎても、適切に対応すれば問題を最小限に抑えられます。
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まとめ

副業の確定申告では、確定申告の種類や書類の作成方法、青色申告と白色申告の違いなどを理解することが大切です。確定申告ソフトやスマホアプリを活用すれば、簡単に申告ができます。住民税申告との違いや赤字の場合の対応、申告期限を過ぎた場合の対処法も把握しましょう。
確定申告の知識があれば、副業の申告を適切に行えます。不安な場合は、税理士や税務署に相談するのもおすすめです。
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