副業を始めると、税金の処理が気になってきます。年末調整と確定申告の関係は複雑で、正しい手続きがわからずに多くの人が悩むところです。この記事では、副業をしている人向けに、年末調整後の確定申告の方法を詳しく解説します。
記事を読めば、副業の収入を適切に申告する方法や、会社にバレないための対策まで理解できます。副業の確定申告は、年末調整とは別に手続きが必要です。自分で確定申告書を作成し、必要書類を添付して税務署に提出しましょう。
年末調整に関する基礎知識

年末調整について、知っておきたい基礎知識は、以下のとおりです。
- 年末調整とは所得税の過不足を調整する手続き
- 年末調整が必要な人
- 年末調整が不要な人
年末調整は、給与所得者の所得税を調整する重要な手続きです。
年末調整とは所得税の過不足を調整する手続き
年末調整は、従業員の1年間の所得税を精算する重要な手続きです。毎月の給与から源泉徴収された所得税の過不足を調整します。12月の給与支払い時に実施される年末調整では、納めすぎた税金は還付され、不足分は追加で徴収されます。
給与所得者の約8割が年末調整だけで所得税の精算が済むため、確定申告は不要です。年末調整では、扶養控除や保険料控除、住宅ローン控除などの各種控除も適用されます。従業員が控除を受けるためには、雇用主に必要書類を提出する必要があります。
年末調整が必要な人

年末調整が必要な人は、主に給与所得者です。1年を通じて同一の勤務先で働いている人や、年の途中で退職せずに12月31日まで勤務する人が対象となります。副業をしていても、給与以外の所得が20万円以下の人は対象です。
給与の収入金額が2,000万円以下の人や、源泉徴収票を1枚だけ受け取る人も年末調整の対象です。年末調整の対象となる控除がある人も該当します。パートタイマーの方でも、条件を満たす場合は年末調整の対象となる可能性があります。自分が年末調整の対象となるかどうか不安な場合は、勤務先の担当者に確認しましょう。
年末調整が不要な人
年末調整が不要な人は、主に以下のような方々です。
- 給与所得のみで年間の収入が2,000万円を超える人
- 2か所以上から給与の支払いを受けている人
- 退職所得がある人
- 年の途中で就職や退職をした人
- 給与以外の所得が20万円を超える人
- 確定申告をする必要がある人
- 個人事業主や自営業者、フリーランス
- 年金受給者で年金以外の所得がある人
- 海外で働いている人
- 専従者給与を受け取っている人
» 退職後に必要な手続きとは?漏れなく効率的に進める手順を解説
年末調整の対象外となる人は、確定申告を行う必要があります。年末調整が不要な人は、自身の状況をよく確認し、適切な手続きを行いましょう。
副業で年末調整をするときのポイント

副業での年末調整をするときのポイントは、以下の2つです。
- 年末調整できるのは1か所のみの理由
- 副業で年末調整をする方法
副業の所得区分を正しく判断し、年末調整書類には記載しないようにしましょう。
年末調整できるのは1か所のみの理由
年末調整を1か所でしか行えない理由は、所得税の二重控除を防ぐためです。法律で定められている1か所のみのルールは、公平な税金の徴収を目的としています。主な勤務先で年末調整をすれば、給与所得に対する所得税が適切に精算されます。副業収入は年末調整の対象外となるため、別途確定申告が必要です。
確定申告では、本業の勤務先での年末調整結果と副業収入を合わせて、正確な所得税額を計算しましょう。
副業で年末調整をする方法
副業で年末調整をする方法は、本業の給与と副業の所得を合算して行います。正確な年末調整を行うためには、副業の収入を会社に報告する必要があります。副業の経費を計算し、所得金額を算出しましょう。年末調整の書類に副業の所得を正確に記入してください。
副業の所得が20万円を超える場合は、確定申告が必要になります。20万円以下の場合でも、確定申告を行っても問題はありません。副業の収入形態によって手続きが異なるので注意しましょう。給与所得や事業所得、雑所得のそれぞれで適切な処理が求められます。副業の収入や経費の記録を、適切に管理することが大切です。
必要に応じて、税理士や会計士に相談するのもおすすめです。
年末調整後に副業の確定申告をする方法

年末調整後の副業の確定申告については、以下の2つを理解しておくことが重要です。
- 確定申告が必要なケース
- 確定申告の方法
確定申告を適切に行って、副業の収入にかかる所得税を正しく納めましょう。
» 副業の確定申告のやり方を解説!
確定申告が必要なケース
確定申告が必要なケースは、以下のとおりです。
- 給与所得と副業収入の合計
- 副業収入
- 雑所得として扱われる副業収入
- 事業所得
- 不動産所得
- 譲渡所得
給与所得と副業収入の合計が20万円を超える場合や、副業収入が20万円を超える場合は確定申告が必要です。事業所得や不動産所得があったり、株式などの配当所得があったりする場合も、確定申告の対象となります。
年末調整で控除しきれない医療費控除や、ふるさと納税の寄附金控除、住宅ローン控除を受ける場合も確定申告が必要です。確定申告によって還付を受けられる場合もあるため、自身の状況をよく確認しましょう。
» 副業で確定申告してない人が多い理由とバレるリスク
確定申告の方法
確定申告は、収入や経費の記録をするところから行います。所得控除や税額控除の確認をし、青色申告か白色申告のどちらか選択して確定申告書を作成しましょう。必要な書類を準備して、告期間内に手続きを完了させてください。申告方法には、e-Taxを利用したオンライン申告と、税務署への書類提出があります。
オンライン申告は便利ですが、初めての方は税務署での申告がおすすめです。申告期間は2月16日〜3月15日までですが、早めに準備を始めましょう。
【所得別】年末調整後に副業の確定申告をする方法

年末調整後の副業の確定申告方法は、以下の所得の種類によって異なります。
- 給与所得
- 事業所得
- 雑所得
副業収入が20万円以上ある場合は、確定申告が必要です。
給与所得
給与所得は、会社から支払われる給料や賞与が該当します。源泉徴収票に記載された金額が給与所得となり、主な給与は年末調整の対象ですが、副業の給与所得は確定申告が必要です。給与所得には、給与所得控除が適用されます。給与収入から給与所得控除を引いた金額が給与所得となり、金額に応じて税率が変ります。
給与所得が年収103万円以下の場合は、所得税がかかりません。副業の給与所得は、合算して確定申告する必要があります。給与所得の計算方法は、国税庁のウェブサイトで確認できます。給与所得の正確な計算は複雑に感じますが、国税庁のウェブサイトを利用すれば、比較的簡単に算出可能です。
事業所得

事業所得は、個人事業主や自営業者が事業活動から得る利益を指します。継続的な事業から生じるもので、確定申告が必要です。収入から必要経費を差し引いて事業所得を計算します。申告方法には青色申告と白色申告があり、状況に応じて選択が可能です。事業を始めるときは、開業届の提出が必要になります。
» 副業で開業届を提出するメリットとデメリットを紹介
事業所得を得るうえで重要なのは、帳簿の記帳と保存です。税金については、所得税や住民税、事業税の対象となります。給与所得とは異なり源泉徴収されないので、確定申告で自ら納付する必要があります。副業として事業所得がある場合は、本業との兼業に注意しましょう。
事業所得で損失が生じた場合、他の所得と損益通算ができます。
雑所得
雑所得は、副業やアルバイトなどの一時的な収入が該当します。講演料や原稿料、賞金なども雑所得に含まれます。年間20万円以下の場合は確定申告が不要ですが、20万円を超える場合は必要です。収入金額から必要経費を差し引いた金額が、課税対象となります。複数の雑所得がある場合は、まとめて計算しましょう。
雑所得は、本業の給与所得とは別に申告する必要があります。所得税と住民税の計算に影響するので、申告漏れがないように気をつけましょう。
年末調整後に副業の確定申告を簡単に終わらせる方法

年末調整後の副業の確定申告を簡単に終わらせるには、以下の2つの方法が効果的です。
- クラウド会計ソフトを活用する
- 会計ソフトに銀行口座やクレジットカードを連携する
両方を組み合わせると、作業時間を大幅に短縮できます。
クラウド会計ソフトを活用する
クラウド会計ソフトを活用すれば、副業の確定申告を簡単に終わらせられます。自動仕訳機能や経費登録、取引の自動取得などの便利な機能があるため、経理作業の効率化が可能です。書類の自動作成機能を使うと、経理作業にかかる時間を大幅に短縮できます。
リアルタイムで収支状況を把握できるので、副業の収益管理も簡単です。クラウドベースのソフトなので、場所を選ばずにアクセスできるのも大きなメリットです。外出先でもスマホやタブレットから確認や入力ができるため、忙しい人でも隙間時間で活用できます。
確定申告の際も、必要なデータが整理されているため、スムーズに手続きが可能です。
会計ソフトに銀行口座やクレジットカードを連携する
会計ソフトに銀行口座やクレジットカードを連携すれば、時間と労力を節約しながら、正確に申告可能です。取引履歴の自動取り込みや収入や経費の自動分類どの機能により、確定申告に必要なデータを効率的に準備できます。会計ソフトの多くは高度なセキュリティ対策を導入しており、安心して利用できます。
複数の口座やカードを会計ソフトで一元管理できるため、副業の収支管理もしやすいのが特徴です。
副業が会社にバレないための対策

副業が会社にバレないようにする対策は、以下のとおりです。
- 住民税の納付方法を選ぶ
- 周囲に副業の話をしない
- SNSで個人が特定される情報を投稿しない
- 副業の証拠を残さない
会社の就業規則を確認し、副業が認められているかどうかを確認しましょう。
» 副業がばれない方法はある?会社にばれにくい副業の特徴と種類
住民税の納付方法を選ぶ
副業をしていることを会社に知られたくないときは、確定申告の際に、住民税の徴収方法欄で「自分で納付」を選択してください。副業収入にかかる住民税負担分を、会社を通さずに自分で納付できます。自宅に届く納付書を使用して支払いましょう。口座振替やクレジットカード払い、コンビニエンスストアなどで、簡単に納付できます。
» 住民税で副業がばれる?理由と防止策を解説!
一度に大きな金額を支払うのが難しい場合は、分割納付を選択しましょう。納付書の送付先を変更したり、自治体のウェブサイトで電子納税を利用したりすれば、会社に副業を知られずに済みます。
周囲に副業の話をしない
トラブルを避けるために、副業について周囲に話さないようにしましょう。多くの会社では副業が禁止されているため、知られると不利益になる可能性があります。副業について話さなければ、会社にバレるリスクを減らせます。周囲との関係性を損なう心配もありません。
» 副業禁止でも合法的に副収入を得る方法を紹介
副業について相談したいときは、信頼できる専門家に相談しましょう。税理士や社会保険労務士など、守秘義務のある専門家への相談がおすすめです。
SNSで個人が特定される情報を投稿しない

SNSで個人情報を公開すると、プライバシーの侵害やなりすまし被害のリスクを高めます。個人が特定される情報は、投稿しないようにしましょう。以下のような情報の投稿は避けるべきです。
- 実名や顔写真
- 勤務先や職場の情報
- 居住地や出身地
- 特定の人物や場所がわかる写真
- 副業の具体的な内容や収入
- プライベートな予定や行動パターン
- 独自の趣味や特技
個人情報を公開すると、特定されやすくなります。SNSを使ううえで、完全に匿名性を保つのは困難です。複数のSNSアカウントの連携を避け、位置情報の共有を制限するなどの対策をおすすめします。プライバシー設定を厳重にすれば、個人情報の流出リスクを最小限に抑えられます。
副業の証拠を残さない
プライバシーを守るために、会社に副業の証拠を残さないようにしましょう。副業関連の書類や領収書は、自宅に保管しましょう。副業関連の情報はデジタル化し、暗号化してクラウドに保存する方法がおすすめです。副業用の専用デバイスを使用すれば、個人的な情報と会社の情報とを明確に分けられます。
副業関連の通知や広告をオフにすれば、周囲の目に触れにくくなって効果的です。副業の取引では個人名ではなく屋号を使用し、支払いは専用口座を作成して管理しましょう。副業関連の通話やメールは個人のものと分け、副業に関する情報のSNS投稿は避けてください。
副業先との契約書は電子化して安全に保管し、副業で使用する名刺は会社のものと分けて管理しましょう。
まとめ

年末調整は所得税の過不足を調整する手続きです。副業収入がある場合、金額や所得の種類によって、確定申告が必要になる場合があります。所得の種類によって、確定申告の方法が異なる点には注意しましょう。給与所得や事業所得、雑所得などの所得に応じた、適切な申告方法を選択してください。
確定申告を簡単に済ませるには、クラウド会計ソフトの活用がおすすめです。クラウド会計ソフトを使えば、作業の効率化や正確性の向上が期待できます。副業を会社に知られたくない場合は、住民税の納付方法を慎重に選び、周囲との副業に関する話題は避けましょう。
SNSでの情報管理に気をつけ、会社に副業の証拠を残さないようにしましょう。適切に対策をすれば、プライバシーを守りながら副業と本業を両立できます。
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